群馬県北部のヤマアジサイとエゾアジサイ(自生)2015.7

新潟県との県境に程近い、群馬県のみなかみ町(旧新治村)から中之条町(旧六合村)にかけての山間部に、ヤマアジサイとエゾアジサイが混在して自生していることは、昨年8月にすでに発見していましたが、ほとんど花が終わった後だったので、残念ながら両者が交雑しているかどうかはわかりませんでした。
学術上は、エゾアジサイはヤマアジサイの亜種という扱いなので、両者が混生していれば普通に受粉してタネができそうなものです。
そんなこんなで1年間気になって仕方が無かったので、突発的に自生地を再度訪ねてきました。


<1.ヤマアジサイの自生状況>
林道脇の斜面や草むらに群生して白い花を咲かせています。
エゾアジサイと比べると背丈が低く、花房も小柄です。
この地域のヤマアジサイは東日本型の白花種で、両性花、装飾花とも白色なので、白色以外の花が咲いていたらそれはエゾアジサイ又はエゾアジサイとの中間種ということになります。
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エゾアジサイの花に比べると、花型にもあまり変異は見られません。
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<2.エゾアジサイの自生状況>
ヤマアジサイと同じく、林道脇の斜面や草むらにある程度群生して咲いていることが多いです。
一般的な花色は薄青色や青色ですが、白色や桃色の花もあります。
特に澄んだ青空のような花色は何度見ても感動的です。
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この地域に自生している一般的なエゾアジサイはこんな感じです。
ヤマアジサイと比べると背丈も葉も大きく、葉は幅が広くて縁に鋭い鋸歯があります。
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ガク片の縁が反り返る貝咲きの花。
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薄青色のスタンダードな花ですが、スッキリとした印象を受ける花です。
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桃色の花。
おそらく土の酸性度によるものかと思われますが、30cmほど離れた隣で咲いていた株は普通の青花でした・・・
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背丈が1m50cmを超える大型の株で、花房も大柄。
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ガク片の鋸歯が鋭くてつけ根が細い花。
両性花はまだ咲いていなかったので、色は不明です。
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大きな鋸歯が面白い花です。
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今回、エゾアジサイの群生地で見つけた白花種。
咲き乱れる青い花の中で、その一角だけがまるでスポットライトが当たったかのようでした。
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装飾花は純白ですが、両性花はごく淡い紫色がかった白色です。
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<3.ヤマアジサイとエゾアジサイの混生状況>
さて、ここからが本題です。
両者が混生している場所をこの目で見てみたい!
というわけで、自生地の写真を撮ってきました。

一応、前提としてそれぞれこの地域に自生するヤマアジサイとエゾアジサイの特徴を整理すると、
・この地域のヤマアジサイは東日本型の白花種で、青色や赤色のヤマアジサイは自生していない(咲き進んだ時に赤色が差すタイプは除く)。また、ヤマアジサイの葉は細長くて鋸歯は鋭くない。
・エゾアジサイはヤマアジサイよりも背丈が大きく、葉の幅が広くて縁には鋸歯がある。また、葉柄や花柄が赤色になる種類もある。
といった点があります。

実際にはこんな感じで混生しています。
右手前の白花がヤマアジサイで、左奥がエゾアジサイの株です。
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右手前のヤマアジサイ。
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左奥のエゾアジサイ。
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エゾアジサイの脇で咲いていたヤマアジサイとエゾアジサイの中間形態の株。
花色は白色でヤマアジサイのようですが、葉の幅広く、また葉柄が赤い点などエゾアジサイの形態も持っていました。
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株の姿はエゾアジサイそのものでしたが、葉の鋸歯が浅く、ヤマアジサイの血が入っている可能性があります。
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同じく、上の株の脇で咲いていた淡い紫色の花。
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別の場所で見かけた、ヤマアジサイとエゾアジサイの中間形態の株です。
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葉はヤマアジサイよりも幅が広いですが、エゾアジサイにしては細長いです。
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そして、何よりも花色が白色ではなく、淡い青色をしています。
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さらに別の場所で見つけた中間形態の株。
株姿はエゾアジサイの特徴が出ていますが、葉は通常のエゾアジサイよりも小さかったです。
また、花色は淡い青色でした。
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上の株のすぐ脇に咲いていた淡桃色の花。
こちらの株もヤマアジサイとエゾアジサイの中間形態をしています。
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同じく隣に咲いていた白花種。細い剣弁の花です。
こちらは花から判断するとヤマアジサイとも思えますが、葉の幅が広く鋸歯があり、同じく中間の形態をしていました。
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というわけで、遺伝子まで確かめたわけではありませんが、少なくとも群生地の状況を見た限りでは、ヤマアジサイとエゾアジサイは普通に交配して、両者の中間形態の株が生まれているようです。



* アジサイ写真集(索引) その1 【ヤマアジサイ あ行~た行】
* アジサイ写真集(索引) その2 【ヤマアジサイ な行~ら行・コガクウツギ交雑種等】
* アジサイ写真集(索引) その3 【ガクアジサイ・エゾアジサイ・タマアジサイ・ノリウツギ等】
by naka1md30 | 2015-07-16 22:32 | アジサイ写真集 | Comments(2)
Commented by 絵の具 at 2015-07-17 19:00 x
次々と品種が出てくるわけですね。
変異しまくり。(^^;)
Commented by naka1md30 at 2015-07-18 20:41
ちょっと見て回っただけでこれだけ色々な花に出会えるのですから、
人の入れない山の中には人知れず咲いている花がいっぱいあるのだと思います。
たしかに、ヤマアジサイやエゾアジサイの新しい品種が毎年出てくるのが
わかる気がします(笑)
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